zoё's studio

MUSIC



(a) JIMI HENDRIX “LIVE AT THE FILLMORE EAST”
なぜか2枚目をよく聴いてる。別に意味はない。いいマスタリングのお陰でビートの重さが際立ってて気持ち良い。それにしてもジミのギターを追ってみるとわかるんだけど、ヤツのリフやフレージングは本当に面白いね。とりたてて変わったノートを弾いてるわけでもないのに。あと音がいい。様々な周波数で歪みを使い分けていて、気持ち良い。「マシンガン」のイントロのさりげないモジュレイションの使い方とかかっこいいなー。バンド・オブ・ジプシーズはいい意味でとりとめがないから一層ジミのギターのダウナーな不安定な凄みが浮かび上がってくる。でもバディ・マイルスは歌あんまり良くないと思う。ビリー・コックスのベースはコードにしばられてなくてかっこいい。「ストーン・フリー」は“RADIO ONE”のヴァージョンに匹敵するかこよさ。「マシンガン」は1枚目にも2枚目にも入ってるけどどっちのソロも表情豊かで聞き惚れる。特にハーモニクスを使ったスローなアプローチはジミの奔放な精神を感じることが出来る名演。

(b)JOHN LEE HOOKER “SIMPLY THE TRUTH”
ブルースは常に自分の周りで鳴ってる音ではなかった様な気がしていた。しかし帰国して自分がずっとブルースの虜だったことを気付いた。ブルースは水だ。僕のどこかで常に鳴っている。涸らすことは出来ない。それは死を意味する。僕は実際ブルースを人前でプレイしたりすることはまずないだろうし、少なくともHALでは絶対にない。しかし僕はこの音楽にずっと捕われていてもう逃げられないだろう。JOHN LEE HOOKER はブルースの魔術師。聞く者に呪いをかける。

(c)SYL JOHNSON “DRESSES TOO SHORT/IS IT BECAUSE I'M BLACK ”
SYL JOHNSON は一般にソウル・ミュージックの人と思われている。でもこれも僕にはブルース。感情がほとばしる音楽。理論も説明もなく情念と言葉に出来ない衝動に振り回される音楽。

(d)PINK FLOYD“PINK FLOYD/1967 THE FIRST 3 SINGLES”
シド・バレット在籍時の初期のシングルはアルバムにも未収録で、こうやってシングルの編集盤を買わないと聴くことが出来ない。僕はフロイドは初期がもっとも好きなのでこうやってまとめて聴けて嬉しい。まだここからもれてる曲もあるので早急にゲットしなければ。しかしシド・バレットのパフォーマンスを聴くにつれ彼の与えた影響の大きさに驚く。ジュリアン・コープは彼の正統な後継者だし、スマパンは彼の ソロの1枚目の1曲目、「テラピン」をカバーしてる。MBVは彼が持っていたポップさと音響に対する感覚のあの微妙なバランス感覚を受け継いでると思う。初期のVERBEは完全にシド・バレット在籍時のフロイドの現代版。 しかしヤツラのサウンド、いやー痺れるね。頭の奥深くまで。

(e) THE CHARLIE MINGUS JAZZ WORKSHOP “PITHECANTHROPUS ERECTUS”
去年の12月末亡くなったセミが好きだったアルバム。ヤツの誕生日の3/3に買った。即興的な部分と丹念に作曲された部分が拮抗してる、緊張感のある音楽。ジョニ・ミッチェルとのコラボレイションでしか聞いたことがなかったけど、彼の音楽の 底に流れる哲学をこのアルバムからは感じることが出来る。強さと弱さ、ダーク・サイドとブライト・サイド。優しさと厳しさ。全て両面を兼ね備えていて深い。高みにのぼる人は同時に地中深くにも根を張らなければならない。

(f)WILLIE DIXON “I AM THE BLUES”
halが取材を受けているので久しぶりに日本の音楽雑誌を眺めて、その後ウィリー・ディクソンの顔写真を見たら同じ人間には思えなかった。でも僕はこっちの方が好き。このアルバムは多くの人にカバーされてきた楽曲がたくさん入ってる。“SPOONFUL”,“I AIN'T SUPERSTITIOUS”,“I CAN'T QUIT YOU,BABY ”,“YOU SHOOK ME”等々。しかしメガデスにカバーされることになるとは思わなかっただろうね。とにかくディープ。これなしには何も出来ないよ。

(g)PUBLIC ENEMY“GREATEST MISSES”
PUBLIC ENEMYはいま聴くと非常にキャッチー。ロック的なノリがある。正直言って僕は全く今のヒップホップってクールだと思わないんだけど、この時代のモノは今聴いても面白い。PUBLIC ENEMYはまた曲のタイトルとかもかっこいいんだよね。この作品の最後にライヴ・ヴァージョンで“SHUT EM DOWN”っていう曲が入ってて、これ本当に編集してないライブだとしたら滅茶苦茶かっこいいよ。観てみたかった。

(h)LIVING COLOUR'“VIVID”
LIVING COLOURは正直言って別にあんまり好きじゃなかったんだけど、偶然バーゲン価格で売ってて、これはCDで持ってなかったから買った。今久しぶりに聴いてみたら、思ってた程嫌いじゃなかった。何が好きになれなかったかと言うと、ヴォーカリスト。今回久々に聴いてみて、やっぱり僕好みのパフォーマンスじゃなかったけど、悪くなかった。ヴァーノン・リードのギターはまだフュージョン・サウンドの名残りがあって、もったいない。NYアヴァンギャルド系のギタリストって、音がしょぼい人が多い。ローランドのジャズ・コーラスというアンプにボス系のディストーションをかけるとみんな同じ音になってしまって退屈。歪みが軽いんだよね。と文句は言いつつやっぱりかっこいいと思います。

(i)LIVING COLOUR“STAIN”
これまたバーゲン品。聞いたら驚く値段で買った。それは置いておいて、LIVING COLOURの作品の中で一番僕が好きな作品はこれ。メタリックで重くて、ヴォーカリストのしょぼさも気にならない。ブラック・ロックっていうくくりはあんまり意味ないと思うけど、僕はLIVING COLOURよりバッド・ブレインズの方が好き。セパルチュラの新しいヤツはLIVING COLOUR、バッド・ブレインズに通じるブラック・ロック的なハードコア・テイストがある。セパルチュラのその作品を聴いて思い出したのはLIVING COLOUR、バッド・ブレインズだった。特にLIVING COLOURのこの作品はそういうテイストがあると思う。

(j)SAUSAGE“RIDDLES ARE ABOUND TONIGHT”
PRIMUSのレス・クレイプールの別ユニット。凄まじすぎる。ヤツのベースの凄さはもう狂気の域に達してる。と言っても僕は狂気の域に達してないと思ってるので本当の狂気の域というものがどういうものかはわからないけど、とにかく想像の範囲を超えてるのは確か。はっきり言ってヤツがベース弾いて歌ってるので音はPRIMUS。あえて言うならばセッションの要素が強く、インプロのかけあい等、より制約なく暴れ回っている。時にジャジーでメタリック。クリムゾンのベーシストにレスが加入したら少なくとも1枚は「太陽と戦慄」、「スターレス」、「レッド」並みの作品を作れるんじゃないかなー。ダメかなー。とにかくヤツはジャコパス以来の驚異のベーシストだよ。オフビートだけどね。

(k)JULIAN COPE“JEHOVAHKILL”
“PEGGY SUICIDE”に続いて作られたアルバム。しかしヤツは最高だよ。相変わらず天才故のとっつきにくさはあると思うけど僕は抵抗なくすんなりと楽しめた。とにかくあらゆる音が想像力を喚起するテンションを持ってる。ヤツのパフォーマンスには耳を奪われっぱなし。各曲のタイトルの素晴らしさ(例えばSOUL DESERTとかSLOW RIDERとか)、ダイナミクスの凄さ、この作品には豊穣という言葉がふさわしい。タイトル曲のトリップ感はノイもびっくりのチル・アウト感覚。ジャケットもかっこいいしね。あと彼の書く歌詞にはルー・リードやジョン・レノンが持ってたのと同じ天才性に満ちているので一読の価値がある。ひたすら聴いている。

(l)JULIAN COPE“INTERPRETER”
今のところ最新作。この作品は打って変わって明るいトーンが全体を貫いている。過去数作にあった求心力をもつ狂気感がうすれポップな印象。ここ何作かの中では最も「SAINT JULIAN」に近い雰囲気を持ってると思う。今度は一体どんな心境の変化が彼に訪れたんだろう。しかし当然一筋縄ではいかない。凝ったアレンジに激しいダイナミクス、ジュリアン・コープの味わい深い歌。開放的な躁状態に満ちた作品。

(m)DAVID J“SONGS FROM ANOTHER SEASON”
バウハウスのベーシストD.J.のソロ。バウハウス・ブランドのダウナーなアルバム。これが全然聞いたこともない人だったら、つまんねーで終わっちゃうんだけど、ブランドに目をくらまされて、なんか聴いちゃうんだよなー。好きなんだけどね。実際耳障りでないので朝コーヒー飲んだりしてる時に聴いてる。アコースティックなデヴィッド・シルビアンという感じかな。

(n)HELIOS CREED“COSMIC ASSAULT”
アメリカのジャンキーな人たち(幻覚系)のバンドの代表格クロームの元メンバー、ヘリオス・クリードのソロ。もう1枚“KISS TO THE BRAIN”というアルバムも持ってるんだけど、基本はそれと同じ。でも“KISS TO THE BRAIN”が比較的バンド的指向性を持っていたのに対し、こちらは全編単調な(ここでは褒め言葉)打ち込みのリズムに歪ませ過ぎてもはや声というよりは音波と化しているヴォーカルが重なるというバッド・トリップ度満点の名作。この人は何でもかんでもディストーションとフランジャーかけちゃうのでずっと爆音で聴いてるとある周波数が麻痺してきて頭が痺れてきて、まさにドラッグなしのドラッグ体験が楽しめる。しかしこいつは正真正銘のアホだ。

(o)BAUHAUS“CRACKLE”
恐らく今回のリリースのためにリマスタリングされたみたいで音が格段に太くなっていてかっこよかった。キング・オブ・ゴス。ヤツラは帝王だよ。闇の帝王。偶然これを聞いてた時、中野坂上のあたり、山手通りを高田馬場方面から五反田方面にかけて車で走ってた。雨が降ってて夕方でビルが目の前にもやに包まれてそびえ立ってて、バウハウスの音楽をバックに異様な迫力だった。彼等は街の風景、特に都会であればある程、その景観を変えるパワーを持ってる。影を浮き立たせる音。

(p)SPIROGYRA“BELLS,BOOTS AND SHAMBLES”
ステュアート&ガスキンを聴いてバーバラ・ガスキンの声に痺れた僕は、ずっと彼女がいたSPIROGYRAの作品を捜していた。たまたま店で目の前に陳列されてたので買った。彼女の声は妙な気持ちよさがあって癖になるね。ある意味でhalとは対極の声。極端に違うから気に入ったのかも。このユニットでは、バーバラ・ガスキンが全ての歌を歌ってるわけではないんだけど、時折響く彼女の歌声はまさにチル・アウト感覚満点(僕にとっては)。また弦楽器のアレンジも絶妙で厭きない。これは一生愛聴盤。

(q)MASTER OF REALITY“MASTER OF RELITY”
リック・ルービン・プロデュース。僕はこのバンドの詳しいこと知らないんだけど、サジ君がよくかけてて、前から気に入ってたので、見つけた時は思わず買った。それも驚くような値段で。内容的には彼等が出したシングルとかミニアルバムとかを集めた編集盤。これがいいんだよね。ちょっとゴス入ったハードロック。おまけにアーシーなテイストもあってビートはザクッとしてて、たまんないね。しかしリック・ルービンのプロデュース・ワークは素晴らしいよ。カルトの「エレクトリック」なんか未だに聞くし、スレイヤーもいいし、ダンジグもいいし、このバンドもいいし、自分のアメリカン・レコーディングからはブラック・クロウズにレッチリにジーザス&メリー・チェインにジュリアン・コープにステレオ・ラブにスキニー・パピーにバークマーケットに、と侮れないラインアップ。これからもゴリゴリのロック野郎でいて欲しいものだ。

(r)VOODOOCULT“JESUS KILLING MACHINE”
もうこのバンド名からして侮れないよ。おまけにジャケットもいー感じ。ドラマーは元スレイヤーのDave Lombardo。比較的ブラックメタル・テイストがあって、ゴリゴリのデスメタルではない。幽かに叙情的できちんとメロディがあってかっこいい。

(s)POISON IDEA“BLANK BLACKOUT VACANT”
ファットなロック好きアメリカ人集団の中でも最もハードコアなバンド。ポイズン・アイデア。彼等のルックスのひどさはまさにアメリカ的。またヤツラが全員パジャマ姿になっているという驚異のジャケットを持つ「パジャマ・パーティ」も名盤。その作品は全編カバーで、ニューヨーク・ドールズからゴーゴーズからMC5からジミー・クリフからダムドからモーターヘッドからエルビスまでゴージャスにカバーしている。ジミー・クリフの「The Harder They Come」のカバーは今まで聴いたその曲のあらゆるカバーの中で最高の逸品だった。今回の“BLANK BLACKOUT VACANT”は一体何枚目の作品なのかはよく知らないけど相変わらず重くて速い彼等ならではのハードコア・サウンドを聴かせてくれて非常に燃える。このバンドは最高だよ。僕ももう少しファットになったらここのメンバーになりたい。