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[1]『カウント・ゼロ』ウィリアム・ギブソン著 黒丸尚 訳
[COUNT ZERO]
この作品はある意味不運だと思う。『ニューロマンサー』の続編的な色合いが強いため、この『ニューロマンサー』を読まなかった人はまず読まない。『ニューロマンサー』を読んで気に入った人でも続編まで読みたい人は少ない。この2点において不運だ。そしてもっと不運なのはこの作品があまりにも素晴らしいことだ。読まれない素晴らしい作品程不運な作品はない。とは言ってもかなりの人が読んだと思うけど。僕はターナーが気に入ったし、ボビィも好き。ジャッキーもアンジーもマルリイもルーカスもみんな気にいった。みんなスタイルを持っていて懸命でクールであることに命がけで、だから切ない。サイバーパンクとかジャンルを超えてこの作者が生き残ったのはやっぱりこの人なりの生きざまがあったからだと思う。そして黒丸尚の訳の素晴らしさ。この人はなんてオリジナルでクールな世界を持ってたんだろう。どういうバックグラウンドが彼のこの言語感覚を磨いたんだろう。言葉でこんなにロックを感じさせる日本人はいない。

[2]『TOMOI』秋里和国弐著
『眠れる森の美男』と『TOMOI』という連作をまとめて1冊にしてあった。読みはじめて想像してた雰囲気がどんどん覆されていって驚いた。この人はある意味分裂してると言ってもいいと思う。この内容は予想出来ない。こんなに切ない話だとは。これだから少女マンガの作家は侮れない。別にもともと侮ってはいないんだけど。同じ作者の『青のメソポタミア』も面白かった。最近はなぜか少女マンガを読む機会が増えて、他に矢沢あい『下弦の月』が可愛くて面白かった。これはまだ全巻読んでないのでコメントはいずれ。