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BOOKS/COMICS 9812



(a) 『イン・ザ・ミソスープ』村上龍
村上龍はこんなに凄いのに、なんでこんなにつめが甘いんだろう。彼が凄いのは、確かなのに例えばこの本は、結果的に彼がきっちり書き切らなかったせいで、凄まじい作品にはなって無いと思う。あんなふうに陳腐に動機付けして、あんな下らない結末を読まされたら、腹が立つ。半端に才能があるからたちが悪いよ。でも同時にこの本は日本を象徴してると思う。凄い物を作る潜在的な能力はあるけど、中途半端なためにどれもたいした結果を残さない文化。こんな作品に賞をあげてるようじゃ、評価する方も見る目がないね。僕が日本の最近の文学とか音楽とか文化的な物に触れなくなった理由をコンパクトな1冊に閉じ込めた本だった。蛇足だけど日本で凄いのはHALと一部のマンガ。

(b) 『血まみれの月』ジェイムズ・エルロイ
警部ロイド・ホプキンズ・シリーズの第1作。この連作は彼のL.A.4部作よりも前に書かれている。彼の作品としては、僕が知ってる限りでは、『秘密捜査』、『レクイエム』に続く3作目の長篇だと思う。当然L.A.4部作のあの異様な完成度は無いんだけど、すでに彼のモチーフとなる多くの要素が垣間見られて面白い。実はこれを読むのは2回目。この作品の続きに当たる『自殺の丘』、『ホプキンズの夜』を読む前に一応読んでおこうと思って読んだ。細かいところを忘れてて、また最初に読んだ時と今では着目する視点が違っているので、今回も面白かった。


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