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マイケル・ギルモア著/村上春樹訳『心臓を貫かれて』
ノン・フィクションながら非常にゴスな雰囲気の漂う作品。思わずのめりこんでしまうパワーを持っていて、途中で中々やめられなかった。殺人犯であり自分に死刑の判決を申し出て、その実行を執拗に迫る兄とその呪われた家族そして一族の歴史。母方がモルモン教徒だったため、モルモンの歴史が初めに描かれる。その独特の血で贖罪する教義は無気味。またモルモン教徒が迫害から逃れて作った場所がユタ州だったとは知らなかった。呪われているように破滅に向かう流れと逃げ場を失って行く恐怖感が凄い。アメリカという国の狂気を感じる。また決してかなわない権威に刃向かう事でしか自己を維持出来ないゲイリーと言う人間、苦悩に満ちて生涯を送った母ベッシー、その一生を一族の狂気に縛り付けられてしまった長兄フランクJr、謎と 暴力に満ちた父フランク等々キャラも魅力的(?)。怨念や葛藤や定められた運命をひしひしと感じる凄まじい本だった。読みがいあった。最後に、この本を書くようにと助言した人間に謝辞があるんだけど、そこにエルロイの名前もあるのにはひっくりかえった。ある意味で類は友を呼ぶ?

ジェニー・ホルツァー著『言葉の森で』
この本はまず装丁がいい。クール。手許においておきたくなる魅力がある。この人は言葉のアーティスト。とにかく本自体が一つの芸術作品になってるような不思議な本。詳しくは日記参照。この本をくれたnoriAに感謝。